交通規制はAIで省人化できる?AI交通誘導・仮設信号機の比較と現場別の選び方【NETIS】
更新日:7 時間前

道路工事や舗装工事、上下水道工事などで欠かせない交通規制。
しかし、施工管理者にとって、交通規制は年々大きな課題となっています。
・「交通誘導員を確保できず、工事工程に影響する」
・「交通規制に必要な人件費が増加している」
・「片側交互通行で渋滞が発生し、一般車両から苦情が寄せられる」
・「夜間や長時間の交通規制で、交通誘導員の安全確保が難しい」
このような悩みを抱えていないでしょうか。
そこで現在注目されているのが、AIやセンサー技術を活用した交通規制の省人化・自動化です。
AIカメラを使って車両を検知する交通誘導システムや、交通量に合わせて信号時間を自動調整する仮設信号機など、さまざまな技術が登場しています。
しかし、ここで重要なのは、「AIを導入すれば、どの現場でも交通誘導員が不要になるわけではない」ということです。
交通規制には、片側交互通行、工事車両の出入口誘導、交差点付近の規制など、さまざまな条件があります。
そして、現場条件によって適した技術は異なります。
今回は、施工管理者が現場の課題からAI交通規制技術を選定できるよう、従来工法との違いやNETIS登録技術、導入時の注意点を解説します。
1.なぜ交通規制にAI技術が必要なのか?

課題① 交通誘導員の確保が難しい
道路工事では、施工計画を立てる段階から必要な交通誘導員を確保しなければなりません。
しかし、地域や施工時期によっては、人員の確保が難しい場合があります。
交通誘導員が確保できなければ、予定していた交通規制を実施できず、工程に影響する可能性があります。
特に長期間の工事や地方部の工事では、交通誘導員の安定的な確保が課題になります。
課題② 交通規制費用の増加
交通規制では、交通誘導員の人件費に加え、保安用品の設置・撤去費用などが必要になります。
長期間の片側交互通行や昼夜連続規制では、交通規制に必要な費用も大きくなります。
そのため、交通規制を安全に実施しながら、必要な人員や作業を見直すことが重要です。
課題③ 交通誘導員自身の安全確保
交通誘導員は、一般車両が通行する道路上やその近くで業務を行います。
車両の誤進入や接触などのリスクがあるため、誘導員自身の安全確保も重要です。
AI技術によって人が危険な場所で行う作業を減らせれば、作業員の安全対策にもつながる可能性があります。
課題④ 交通渋滞への対応
片側交互通行では、交通量や規制区間の長さによって渋滞が発生する場合があります。
特に従来の固定時間式仮設信号機では、交通量の少ない方向にも一定の青時間を割り当てることがあり、不要な待ち時間につながる可能性があります。
このような課題に対し、交通量を検知して信号時間を調整する技術が登場しています。
2.AI交通規制にはどのような技術がある?
一口に「AI交通規制」といっても、技術の役割は異なります。
TKnetでは、現場での使い方から大きく3つに分類して考えることをおすすめします。
技術の種類 | 主な役割 | おすすめ現場 |
AI交通制御システム | 車両検知と交通誘導の自動化 | 片側交互通行 |
AI・自動調整式仮設信号機 | 交通量に応じた信号時間の調整 | 交通量が変化する片側交互通行 |
AI交通誘導警備システム | 工事車両の出入口などで誘導を支援 | 工事車両出入口・構内出入口 |
つまり、
「交通誘導員の配置を見直したい」
「片側交互通行の渋滞を緩和したい」
「工事車両の出入口を安全に管理したい」
という課題によって、検討する技術が異なります。
3.技術① AI交通制御システム「KB-eye」

AI交通制御システムの一つが、**「KB-eye for 交通制御」**です。
NETIS登録番号は、KT-220227-Aです。
この技術は、AIによる車両検知などを活用し、片側交互通行の交通制御を自動化するシステムです。
従来の課題
従来の片側交互通行では、交通誘導員を配置して一般車両の停止・通行を管理します。
そのため、必要な交通誘導員を確保できなければ、交通規制を実施しにくい場合があります。
AI交通制御システムの特徴
AIによる車両検知や制御を活用することで、交通誘導業務の一部を自動化できます。
これにより、現場条件や関係機関との協議結果によっては、交通誘導員の配置人数を見直せる可能性があります。
TKnet的おすすめポイント
この技術を検討したいのは、交通誘導員の確保そのものが施工上の課題となっている現場です。
例えば、長期間の片側交互通行や地方部の道路工事などが考えられます。
ただし、システムの適用条件や監視体制、異常時の対応を確認する必要があります。
AIによる交通制御は、単に機械を設置すれば完全無人で運用できるというものではありません。
4.技術② AI・自動調整式仮設信号機
次に紹介するのが、交通量や車両を検知して信号時間を自動調整する仮設信号機です。
代表的なNETIS登録技術には、次の2つがあります。
ソーラー式工事用AI信号機【KT-210034-VE】

ティオックのソーラー式工事用AI信号機は、超音波センサーで交通量を検知し、交通状況に合わせて信号時間を調整します。
交通量の少ない方向の青時間を短縮し、交通量の多い方向へ配分することで、交通状況に応じた信号制御を行います。
自動調整式LED仮設信号機「ミリパ!」【TH-250008-A】

インフォメックス松本の「ミリパ!」は、ミリ波レーダーセンサーを活用した仮設信号機です。
車両の検知結果に応じて赤・青の点灯時間を自動調整し、交通量の変化に対応します。
TKnet的おすすめポイント
この2技術を検討したいのは、交通量の変化によって固定時間式仮設信号機では不要な待ち時間が発生している現場です。
例えば、朝夕で交通量が大きく変わる道路や、交通量の少ない時間帯がある現場などです。
従来の固定時間制御から自動調整式へ変更することで、一般車両の待ち時間低減や渋滞緩和が期待できます。
ただし、規制区間の長さや交通量、信号機の設置条件などによって効果は異なります。
詳しく知りたい方はこちら
※こちらの記事では、ソーラー式工事用AI信号機とミリパ!の違い、現場条件別の選び方、NETIS技術提案への活用方法を詳しく解説しています。
5.技術③ AI交通誘導警備システム

片側交互通行だけでなく、工事車両の出入口誘導にもAI技術が活用されています。
例えば、**「KB-eye for 交通誘導警備」**は、工事車両の出入口などでAIによる交通誘導を支援するシステムです。
NETIS登録番号はKT-190039-VEです。
従来の課題
工事車両の出入口では、一般車両や歩行者などの安全を確認しながら、工事車両を出入りさせる必要があります。
現場条件によっては、交通誘導員を配置して対応します。
AI交通誘導警備システムの特徴
AIによる車両等の検知や誘導機能を活用することで、工事車両出入口における交通誘導業務の省人化を支援します。
TKnet的おすすめポイント
この技術を検討したいのは、工事車両の出入りが多く、出入口での誘導業務が負担となっている現場です。
ただし、歩行者や自転車の動線、交差点との位置関係、見通しなどによって適用条件が異なります。
現場で必要な安全確認をシステムがどこまで対応できるか、導入前に確認することが重要です。
6.【比較表】現場の課題からAI交通規制技術を選ぶ
ここまで紹介した技術を、施工管理者が選びやすいように整理します。
現場の課題 | 検討したい技術 | 主な選定理由 |
片側交互通行で誘導員を確保できない | KB-eye for 交通制御 | 交通制御の自動化 |
固定時間式信号で渋滞が発生する | AI・自動調整式仮設信号機 | 交通量に応じた信号時間の調整 |
朝夕で交通量が大きく変わる | AI・自動調整式仮設信号機 | 交通状況への対応 |
工事車両の出入口誘導が負担 | KB-eye for 交通誘導警備 | 出入口誘導の省人化 |
長期間の交通規制 | AI交通制御・仮設信号機 | 人員配置と運用費の比較 |
夜間の交通規制 | AI交通制御・仮設信号機 | 監視・電源・異常時対応を含めて検討 |
TKnetの採用判断
まずは、現場の課題を次のように整理することをおすすめします。
「交通誘導員が確保できない」
→ 交通制御の自動化が可能か検討する。
「渋滞を緩和したい」
→ 交通量を検知する自動調整式仮設信号機を検討する。
「工事車両の出入口を効率化したい」
→ AI交通誘導警備システムを検討する。
重要なのは、「AIという言葉」で製品を選ばないことです。
どの作業を省人化したいのか、どの交通規制上の課題を改善したいのかを明確にすることで、現場に適した技術を選びやすくなります。
7.AI交通規制技術のメリットと注意点
メリット① 交通誘導業務の省人化
現場条件に適した技術を導入することで、交通誘導員の配置人数や誘導業務の負担を減らせる可能性があります。
メリット② 施工工程の安定化
交通誘導員の確保が難しい現場では、AI技術による自動化が工程管理上の選択肢になります。
メリット③ 交通渋滞への対応
交通量を検知する仮設信号機では、固定時間制御と比較して、交通状況に応じた信号制御が可能です。
メリット④ 安全対策
交通誘導員が道路上で作業する機会を減らせる場合、車両との接触などのリスク低減につながる可能性があります。
ただし、機械の誤検知や故障など、新たに管理すべきリスクもあります。
導入時の注意点
AI交通規制技術を採用する際には、以下の項目を確認しましょう。
道路使用許可の条件
道路管理者・警察・発注者との協議
規制区間の延長と見通し
交差点や出入口の有無
歩行者・自転車・大型車への対応
センサーの検知範囲
電源・通信環境
異常時の停止・復旧方法
必要な監視体制
交通誘導員の併用が必要か
特に、「AI技術を導入する=交通誘導員が不要になる」ではないことを理解しておく必要があります。
安全な交通規制を実施できることを前提に、省人化や効率化を検討しましょう。
8.AI交通規制は本当にコスト削減につながる?
AI技術を導入する際に、施工管理者が気になるのが費用対効果です。
例えば、交通誘導員を配置する場合には、配置人数と規制日数に応じた費用が発生します。
一方、AI交通規制技術では、機器のレンタル費用、設置・撤去費用、監視や保守に必要な費用などが発生します。
そのため、単純に人件費だけを比較するのではなく、交通規制全体の費用で比較することが重要です。
比較例
比較項目 | 従来の交通誘導 | AI交通規制技術 |
人件費 | 配置人数・日数による | 必要な監視・誘導員配置による |
機器費用 | 保安用品等 | AIシステム・仮設信号機等 |
設置・撤去 | 規制計画による | システム設置・調整等が必要 |
維持管理 | 人員配置・交代管理 | 電源・通信・機器点検等 |
工程への影響 | 人員確保に左右される | 機器の適用条件・故障対応等に左右される |
例えば、短期間の交通規制では、AI機器の設置・撤去費用が大きくなる可能性があります。
一方、長期間の規制では、省人化による費用面のメリットが得られる場合もあります。
「AIだから安い」のではなく、「規制日数・必要人員・機器費用を比較して判断する」
ことをおすすめします。
9.NETIS技術として技術提案に活用する
AI交通規制技術は、交通誘導員不足への対応や施工管理の効率化など、現場の課題を解決するための技術提案にも活用できます。
技術提案の考え方
・現場の課題
交通誘導員の確保が難しく、施工工程への影響や交通規制費用の増加が懸念される。
・採用する技術
現場条件に適したAI交通制御システムまたは自動調整式仮設信号機を採用する。
・期待する効果
交通誘導業務の省人化や、交通状況に応じた信号制御による施工管理の効率化を図る。
技術提案文の例
「道路工事に伴う交通規制において、交通誘導員の確保が難しいことから、交通規制の省人化及び施工管理の効率化を図るため、AI・センサー技術を活用した交通規制システムの採用を検討する。現場の交通量、規制区間の延長及び道路条件を踏まえて適用可能なNETIS登録技術を選定し、交通誘導業務の負担軽減と安全性の向上を図る。」
※実際の技術提案では、採用する製品名・NETIS登録番号・具体的な施工方法・期待効果を明確にしてください。
10.AI交通規制の技術提案資料を公開中!
TKnetでは、NETIS登録技術を施工現場で活用しやすいよう、技術提案資料を作成しています。
現在、「ソーラー式工事用AI信号機」と「ミリパ!」の2技術をまとめた技術提案資料を公開しています。
「AI仮設信号機を現場で提案したい」
「従来技術との違いを整理したい」
「技術提案文の作成時間を短縮したい」
という方は、ぜひご活用ください。
▶ AI・自動調整式仮設信号機の技術提案資料をダウンロード
11.まとめ|交通規制は「人かAIか」ではなく「現場に適した組み合わせ」で考える
交通規制では、交通誘導員不足やコスト増加、交通渋滞、安全性確保など、さまざまな課題があります。
こうした課題に対し、AI交通制御システムやAI・自動調整式仮設信号機などの技術が登場しています。
しかし、すべての現場でAI技術が最適とは限りません。
重要なのは、
「どの作業を省人化したいのか」
「どのような交通規制を行うのか」
「交通量や現場条件に適した技術は何か」
を整理することです。
TKnetでは、今後も現場の課題に応じたAI交通規制技術を紹介していきます。
「交通規制をAI化すること」が目的ではなく、「安全で効率的な交通規制を実現すること」が目的です。
施工計画を立てる際には、従来の交通誘導方法だけでなく、AI技術の活用も選択肢として検討してみてはいかがでしょうか。
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