仮設信号機はAI・自動調整の時代へ!交通量に合わせて信号を変える次世代の交通規制【NETIS】
更新日:10月3日

道路工事や舗装工事では、片側交互通行などの交通規制が必要になることがあります。
そして交通規制を計画するとき、現場担当者を悩ませるのが、「交通誘導員を確保できるのか?」という問題です。
交通規制が必要な現場では、施工計画を立てる段階から警備会社へ連絡し、必要な交通誘導員を確保する必要があります。
しかし、人手不足などにより交通誘導員の確保が難しくなれば、
交通誘導員を確保できない
↓
予定していた交通規制ができない
↓
施工工程にも影響する
という問題につながる可能性があります。
そこでTKnetが以前から注目しているのが、仮設信号機を活用した交通規制の省人化です。
さらに現在の仮設信号機は、単純に設定された時間で赤・青を切り替えるだけではありません。
センサーで交通量や車両を検知し、交通状況に合わせて信号時間を自動調整する仮設信号機が登場しています。
今回は、「ソーラー式AI信号機」「ミリパ!」という2つのNETIS登録技術を中心に、次世代の交通規制について紹介します。
|そもそも仮設信号機を使うメリットとは?
片側交互通行では、規制区間の両端で一般車両を停止・誘導する必要があります。
一般的には交通誘導員を配置して、
・「こちら側を通行させる」
・「反対側を停止させる」
という交通誘導を行います。
これを仮設信号機で代替できる現場では、交通誘導業務の省人化につながります。
特に、
長期間の片側交互通行
昼夜連続規制
山間部・郊外の道路工事
交通誘導員を確保しにくい地域
などでは、仮設信号機を検討するメリットがあります。
ただし、仮設信号機を設置すれば、どの現場でも交通誘導員を不要にできるわけではありません。
道路管理者や警察との協議、道路使用許可、現場条件、見通し、交差点や出入口の有無などによって必要な交通誘導方法は異なります。
そのため、施工計画の段階で関係機関と協議したうえで採用することが重要です。
|従来の仮設信号機には「固定時間」という課題があった
従来型の仮設信号機では、あらかじめ設定した時間に基づいて赤・青を切り替える方式があります。
例えば、
A側:青60秒
↓
両側:赤
↓
B側:青60秒
というような運用です。
この方法でも交通誘導はできますが、問題になるのが交通量の変化です。
例えば朝はA側から多くの車両が来る一方、B側にはほとんど車両がいないとします。
それでも固定時間で制御していると、
「車が来ていない方向を青にして、交通量の多い方向を赤で待たせる」
という状況が発生する可能性があります。
これでは、仮設信号機を設置したことで不要な待ち時間や渋滞が発生してしまいます。
そこで登場したのが、交通量や車両をセンサーで検知し、信号時間を自動調整する仮設信号機です。
|従来型 VS AI・自動調整式仮設信号機
比較項目 | 従来型仮設信号機 | AI・自動調整式仮設信号機 |
信号制御 | 設定時間を基本に切替 | 交通状況に応じて自動調整 |
車両検知 | なしの場合あり | センサーで検知 |
交通量の変化 | 設定変更が必要 | 自動的に対応できる機種あり |
渋滞対策 | 固定時間のため課題あり | 交通量に応じた制御が可能 |
設定作業 | 現場条件に合わせて設定 | 自動調整により負担軽減 |
省人化 | 可能 | 省人化+交通状況への対応 |
つまり、現在の仮設信号機は、
「人の代わりに赤・青を表示する設備」から、「交通状況を検知して信号を調整する設備」へ進化しています。
おすすめ① ソーラー式AI信号機【NETIS:KT-210034-VE】

一つ目が「ソーラー式AI信号機」です。
車両感知センサーによって、工事区間を通過する車両を検知します。
親機側と子機側の交通量を算出し、交通量が少ない側の青時間を交通量の多い側へ移すことで、交通量の多い方向の青時間を自動的に延長します。
例えば、
A側:車両10台B側:車両2台
という状況であれば、交通量に応じた信号制御を行うことができます。
これにより、固定時間制御と比較して、実際の交通状況に合わせた交通誘導が可能になります。
ソーラー式AI信号機の主な特徴
超音波センサーによる車両感知
交通量に応じた青時間の自動調整
AIモード
GPSモード
内部時計モード
手動切替モード
ソーラー電源
満充電時の無日照時間:約10日間
複数の運転モードを持っているため、現場条件に合わせた運用を検討できます。
TKnet的おすすめポイント
注目したいのは、「単純に交通誘導員を仮設信号機へ置き換えるだけではない」という点です。
交通量を計測しながら信号時間を調整できるため、交通誘導の省人化+渋滞対策という2つの課題に対する提案として活用できます。
おすすめ② 自動調整式LED仮設信号機「ミリパ!」【NETIS:TH-250008-A】
もう一つ注目したいのが、「ミリパ!」です。
ミリパ!は、ミリ波レーダーセンサーを使って車両を検知する仮設信号機です。
2023年に発売された製品ですが、その後技術がNETISへ登録され、NETIS:TH-250008-Aとなりました。
以前この記事をご覧いただいた方にとっては、ここが大きなアップデートです。
ミリパ!では、ミリ波レーダーによる先頭車両の検知と信号機同士の無線同期を利用し、交通状況に応じて赤・青の点灯時間を自動調整します。
ミリパ!の主な特徴
ミリ波レーダーセンサーを採用
赤・青点灯時間を自動調整
4種類の動作モード
親機の設定を子機へ反映
見通し300mまで設置可能
待ち時間表示
無線リモコンによる遠隔操作にも対応(オプション)
従来のタイマー式仮設信号機と比較して、交通量に合わせた信号制御による渋滞緩和や、設定作業の省力化が期待できます。
|ソーラー式AI信号機と「ミリパ!」を比較
項目 | ソーラー式AI信号機 | ミリパ! |
NETIS | KT-210034-VE | TH-250008-A |
車両検知 | 超音波センサー | ミリ波レーダー |
信号自動調整 | ○ | ○ |
主な考え方 | 交通量を計測して青時間を調整 | 車両検知により点灯時間を調整 |
ソーラー | ○ | ソーラー仕様あり |
無日照時間 | 約10日※満充電時 | 約4~6日※ソーラー仕様・満充電時 |
使用可能距離 | 現場条件・仕様を確認 | 見通し300m |
特徴 | AI・GPS・内部時計等の複数モード | 4つの動作モード・無線同期 |
どちらも「交通状況に合わせて信号を制御する」という方向性は共通していますが、センサー方式や電源、設置条件などに違いがあります。
そのため、「AIだから選ぶ」のではなく、「現場条件に適しているか」で選ぶことが重要です。
TKnet的おすすめポイント① 交通誘導員不足への対策
交通規制では、交通誘導員を確保できなければ施工計画そのものに影響する場合があります。
仮設信号機を活用できる現場であれば、人に依存していた交通誘導の一部を機械へ置き換えることができます。
特に長期間の片側交互通行では、交通誘導員の配置人数や日数が大きくなるため、省人化を検討する価値があります。
|TKnet的おすすめポイント② 「省人化」だけでなく渋滞対策まで考える
AI・自動調整式仮設信号機の面白いところは、単なる省人化設備ではないことです。
交通量を検知して信号時間を調整できれば、
交通量が多い側を長めに青にする
↓
車両を効率よく流す
↓
規制による待ち時間・渋滞を抑える
という考え方ができます。
道路工事では、施工中の安全確保だけでなく、一般交通への影響をできるだけ小さくすることも重要です。
その意味でも、「交通誘導員の省人化」+「一般車両への影響低減」という2つの視点で検討したい技術です。
TKnet的おすすめポイント③ NETIS技術として技術提案にも活用
今回紹介した、
ソーラー式AI信号機:KT-210034-A
ミリパ!:TH-250008-A
はいずれもNETIS登録技術です。
そのため、単純な仮設信号機の導入ではなく、
「交通量を自動検知する仮設信号機を導入し、交通量に応じて信号点灯時間を自動調整することで、交通規制に伴う一般車両の待ち時間低減と交通誘導業務の省人化を図る」
といった技術提案として整理することも考えられます。
特に、
片側交互通行を伴う舗装工事
道路改良工事
橋梁補修工事
上下水道工事
長期間の交通規制
山間部・地方部など交通誘導員を確保しにくい現場
では、提案候補として検討しやすい技術です。
※NETIS技術の採用や技術提案での評価は、発注者、工事条件、適用する評価要領等によって異なります。
|AI・自動調整式仮設信号機を導入するときの注意点
ここは非常に重要です。
仮設信号機は、設置すればどの現場でも交通誘導員を不要にできる設備ではありません。
導入前には、
□ 道路管理者・警察等との協議
□ 道路使用許可の条件
□ 交差点・店舗・住宅等への出入口の有無
□ 規制区間の延長
□ 信号機間の見通し・通信条件
□ 交通量・大型車両の割合
□ バッテリー・電源条件
□ 故障・通信異常時の対応
□ 現場条件に応じた交通誘導員配置の必要性
などを確認する必要があります。
特に仮設信号機は交通規制を管理する重要な設備です。
「省人化できるから採用する」のではなく、「安全に運用できる条件が整っているから採用する」
という順番で検討することが重要です。
|こんな現場におすすめ
AI・自動調整式仮設信号機は、特に片側交互通行が長期間続く道路工事で検討したい技術です。
例えば、舗装補修、道路改良、橋梁補修、上下水道工事など、一般交通を確保しながら施工する現場が挙げられます。
また、「交通量が時間帯によって大きく変化する現場」との相性にも注目です。
朝夕と昼間で交通量が大きく異なる道路では、固定時間の信号より、交通状況を検知して調整する仕組みのメリットを活かしやすくなります。
まとめ|仮設信号機は「時間で切り替える」から「交通状況に合わせる」時代へ
交通規制における仮設信号機は、大きく進化しています。
従来は、設定した時間で赤・青を切り替えるという使い方が中心でした。
現在では、
車両を検知する
↓
交通量を把握する
↓
交通状況に合わせて信号時間を調整する
という自動化が可能になっています。
交通誘導員不足が課題となる中、仮設信号機は単なる保安用品ではなく、交通規制そのものを省人化・効率化する技術として考える時代になってきました。
TKnetとして特に注目したいのは、
交通誘導員の省人化+一般車両の待ち時間・渋滞対策+NETISを活用した技術提案
という3つのメリットです。
片側交互通行を計画するとき、
「交通誘導員を何人配置するか?」だけでなく、「仮設信号機で自動化できないか?」
という選択肢も、施工計画段階から検討してみてはいかがでしょうか。
AI仮設信号機を「現場の技術提案」に活用したい方へ
AI・自動調整式仮設信号機は、単なる交通規制用品ではなく、
「交通誘導員の省人化」「交通規制による渋滞の緩和」「施工性・生産性の向上」
という視点から技術提案にも活用できます。
TKnetでは、現場の技術提案にそのまま活用しやすいよう、NETIS技術の特徴・従来技術との違い・期待できる効果を整理した技術提案資料を公開しています。
「この技術を現場で提案したい」
「技術提案の文章を一から考える時間を短縮したい」
という方は、ぜひTKnetの技術提案資料をご活用ください。
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