本当に使える工事用LED電光表示板とは?現場で失敗しない7つの選び方

道路工事や舗装工事などの交通規制で、当たり前のように使用されている工事用LED電光表示板。
・「この先 工事中」
・「片側交互通行」
・「車線減少」
・「徐行」
など、一般ドライバーへ工事や交通規制の情報を伝える重要な安全設備です。
しかし、レンタル会社のカタログを見ると、電光表示板にはさまざまな機種があります。
そのため、「どれを選んでも同じじゃないの?」と思う方もいるのではないでしょうか。
実は、そうではありません。
表示できる文字、表示面の大きさ、視認性、電源、連続使用時間、表示変更方法など、製品によって特徴が異なります。
そして現場条件と合っていなければ、「電光表示板は設置しているけれど、ドライバーには十分伝わっていない」ということも考えられます。
そこで今回は、特定のメーカーや製品をおすすめするのではなく、施工管理者が電光表示板を選定するときに確認したい7つのポイントを、現場目線で解説します。
|そもそも「本当に使える電光表示板」とは?

電光表示板の目的は、単純に文字を光らせることではありません。
重要なのは、走行しているドライバーに、必要な情報を、必要なタイミングで認識してもらうことです。
例えば、「この先で工事をしています」という情報であれば、規制直前で初めて認識するより、余裕を持って認識できた方がドライバーは減速や車線変更などの準備をしやすくなります。
そのため、
「明るい=良い電光表示板」
「大きい=良い電光表示板」
とは限りません。
TKnetが考える「本当に使える電光表示板」とは、
その現場で伝えたい情報を、ドライバーへ適切に伝えられる表示板です。
では、そのために何を確認すればよいのでしょうか。
|選び方① 表示面の大きさ・文字の見やすさ
まず確認したいのが、表示面と文字の大きさです。
交通規制の電光表示板を見るのは、立ち止まっている人ではありません。
多くの場合、走行している車両のドライバーです。
つまり、限られた時間の中で情報を認識してもらう必要があります。
そのため、
表示面のサイズ
文字サイズ
1画面に表示する文字数
表示切替の速度
図形・矢印等の表示
などを確認しましょう。
特に注意したいのが、情報を詰め込みすぎることです。
表示できる文字数が多いからといって、「この先○○工事のため片側交互通行を実施しています」など、多くの情報を一度に伝えようとすると、走行中のドライバーが読み切れない可能性があります。
車線減少の交通規制であれば、「矢印のみ」であったり、片側交互通行であれば、「ガードマンの旗振りのみ」の方がドライバーは、認識しやすいです。
短く・大きく・分かりやすく。
電光表示板では、この考え方が重要です。
|選び方② 正面だけでなく「視認角」を確認する
次に確認したいのが視認角です。
直線道路で、ドライバーが電光表示板へ正面から接近するのであれば、正面視認性を中心に考えることができます。
しかし実際の道路には、
カーブ
交差点
合流部
車線変更区間
複数方向から車両が進入する場所
があります。
このような場所では、電光表示板を斜め方向から見ることになります。
そのため、「正面からきれいに見えるか?」だけではなく、「どの角度まで文字を認識できるか?」も確認しましょう。
◯カーブ区間では特に重要
例えばカーブ区間では、ドライバーから見ると、
遠方では斜め方向から見る
↓
接近するにつれて正面に近づく
という見え方になります。
そのため、広い視認角を持つ表示板であれば、より早い段階から情報を認識してもらえる可能性があります。
TKnetでは、このような課題に対応するNETIS技術も紹介しています。
|選び方③ 昼間・夜間の「見え方」を確認する
LED表示板というと、「明るければ明るいほど見やすい」と思いがちですが、実際には使用環境によって見え方が変わります。
昼間であれば、
太陽光
逆光
西日
などの影響があります。
夜間であれば、
対向車のヘッドライト
街路灯
店舗の照明
周辺の工事灯
などの影響を受けます。
そのため製品選定では、LEDそのものの明るさだけではなく、「実際に使用する環境で文字や図形が認識しやすいか」という視点を持つことが重要です。
特に昼夜連続規制では、昼間と夜間の両方を想定して選定しましょう。
|選び方④ 電源方式と無日照時の稼働条件
現在の工事用LED電光表示板では、ソーラー式の製品が多く使用されています。
商用電源を確保しにくい道路工事では非常に便利です。
しかし、「ソーラー式=ずっと使える」ではありません。
ソーラー式を選ぶ場合は、
バッテリー容量
満充電時の連続動作時間
無日照時の動作日数
充電方法
補助電源の有無
使用環境・気温
などを確認しましょう。
特に北海道など積雪・曇天が続く地域や、山間部・構造物の影などで十分な日照を確保できない場所では注意が必要です。
長期間の交通規制では、「晴れているときに使えるか」ではなく、「天候が悪い日が続いても運用できるか」まで考えて選定することをおすすめします。
選び方⑤ 表示内容を簡単に変更できるか
意外と重要なのが、表示変更のしやすさです。
工事では施工状況によって、
・「工事中」
・「片側交互通行」
・「車線減少」
・「徐行」
・「通行止」
など、必要な表示内容が変わる場合があります。
そのため、
・どのようなメッセージを登録できるのか?
・現場で簡単に変更できるのか?
・オリジナルの文章や図形を登録できるのか?
などを事前に確認しましょう。
頻繁に表示内容を変更する現場では、この「操作性」が施工管理の負担にも影響します。
|選び方⑥ 表示変更が多いなら「遠隔操作」まで考える
さらに一歩進んで考えたいのが、遠隔操作です。
例えば長距離の交通規制で、「表示内容を変更するためだけに、表示板まで車で移動する」
という作業が発生していないでしょうか。
1台なら大きな負担ではなくても、表示板が複数台あれば、そのたびに移動・変更作業が必要になります。
さらに交通量の多い道路では、表示板付近で作業すること自体が安全上のリスクになる場合もあります。
そこで、「表示板の性能」だけではなく、「表示板をどう管理するか」まで考える方法があります。
TKnetでは、
についても紹介しています。
規制内容の変更が多い現場では、表示板本体だけではなく、こうした遠隔管理技術も含めて検討してみましょう。
|選び方⑦ 設置・移動しやすいか
最後は、非常に現場的ですが重要なポイントです。
「毎日設置・撤去できるか?」です。
舗装工事などでは、朝に交通規制を設置し、施工終了後に撤去することがあります。
その場合、
本体重量
キャスターの有無
収納時寸法
トラックへの積載性
設置に必要な人数
ソーラーパネルなどの収納方法
も確認しておきましょう。
性能が優れていても、「重すぎて毎日の設置撤去が大変」となれば、現場にとって使いやすい製品とは言えません。
特に短期間の移動規制では、視認性能だけでなく運搬・設置性も重要な選定条件です。
【保存版】レンタル前に確認したい7項目
電光表示板をレンタル会社へ手配する前に、最低限この7項目を確認してみてください。
確認項目 | チェックする内容 |
① 表示性能 | 文字サイズ・表示面・表示できる内容 |
② 視認角 | カーブ・斜め方向から見えるか |
③ 昼夜視認性 | 日中・夜間・逆光などへの対応 |
④ 電源 | ソーラー・バッテリー・無日照時の稼働 |
⑤ 操作性 | 表示変更・オリジナル表示の方法 |
⑥ 遠隔管理 | スマホ・PC等から変更できるか |
⑦ 施工性 | 重量・運搬・設置・撤去のしやすさ |
レンタル会社へ、「電光表示板を1台お願いします」とだけ依頼するのではなく、
・「カーブ区間なので斜め方向からの視認性を重視したい」
・「夜間規制なので夜間の見え方を確認したい」
・「1か月設置するので無日照時の稼働条件を確認したい」
・「表示内容を頻繁に変更するので遠隔操作したい」
と現場条件を伝えることで、より適した機種を提案してもらいやすくなります。
「本当に使える」は現場によって違う
ここまで紹介した7項目すべてで最高スペックの製品を選ぶ必要はありません。
例えば、直線道路+短期間+昼間のみという現場であれば、遠隔操作や広視野角などの高機能は必要ないかもしれません。
一方、カーブ+夜間+長期間+表示変更が多いという現場であれば、視認性や遠隔操作、電源性能まで考える価値があります。
つまり、「一番高性能な製品を選ぶ」のではなく、「必要な性能を持った製品を選ぶ」ことが重要です。
|もっと現場条件から選びたい方へ
この記事では、電光表示板そのもののスペックの見方を紹介しました。
しかし、
「カーブでは何を選べばいい?」
「夜間工事なら?」
「長距離規制なら?」
「遠隔操作したい場合は?」
など、現場条件から製品を探したい方もいると思います。
TKnetでは、現場の困りごとから電光表示板を選べるよう、別の記事で詳しく整理しています。
現場条件から選びたい方 → 親記事
製品スペックから選びたい方 → この記事
という使い分けがおすすめです。
|高視認性を「技術提案」に活用したい方へ
カーブ区間や交差点など、「一般的な電光表示板では斜め方向から文字を確認しにくい」
という課題がある場合は、NETIS登録技術である高視認性ソーラー式電光表示板も選択肢になります。
単純に、「高性能な電光表示板を使用する」ではなく、
現場の課題
↓
必要な性能
↓
NETIS技術を選定
↓
安全性向上
まで整理すれば、技術提案にもつなげやすくなります。
TKnetでは、この考え方を現場で活用しやすいよう技術提案資料としてまとめています。
※NETIS技術の採用や技術提案での評価は、発注者、工事条件、適用する評価要領等によって異なります。
まとめ|「電光表示板なら何でもいい」から卒業しよう
工事用LED電光表示板は、交通規制では当たり前のように使用する安全設備です。
だからこそ、
・「いつもレンタルしているもの」
・「レンタル会社に任せているもの」
になってしまいがちです。
しかし、現場条件によって必要な性能は違います。
電光表示板を選ぶときは、
①表示性能
②視認角
③昼夜の視認性
④電源・無日照性能
⑤表示変更のしやすさ
⑥遠隔管理
⑦設置・運搬性
の7項目を確認してみてください。
そして最も大切なのは、「どの製品が一番高性能か?」ではなく、「この現場では何が必要か?」から考えることです。
現場条件に合った電光表示板を選び、一般ドライバーへ「見える」だけでなく**「伝わる」交通規制**を目指しましょう。

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