建設業法改正 — 「労務費に関する基準(標準労務費)」とは
- TKライター

- 1月26日
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「労務費に関する基準」は、改正建設業法(令和7年12月施行)に基づき国土交通省が策定した新しい基準で、建設工事の技能労働者に支払われる適正な労務費(賃金原資)を確保することを目的としています。
🧱制度の“目的と役割”
技能労働者の処遇改善や賃金適正化を図り、建設業の担い手確保と持続可能性を高める。
著しく低い労務費での見積・契約を禁止し、不適正なダンピング受注競争を抑制する。
公共工事だけでなく、民間工事や下請け取引にも適用され、受発注者間の価格交渉の参考値となる。
📌基準の構成
国が算出した労務費の基準値(標準労務費)を、工種・作業ごとに公表。
基準値は**「公共工事設計労務単価」・「歩掛」**を基に算出され、地域・職種別に確認可能。
発注者や受注者は見積内訳として労務費を明示し、適正な価格で契約することが求められる。
📊現場への意義
見える化された労務費を基に見積・契約を行うことで、技能者賃金が確保されやすくなる。
従来の「労務費は(総額の残りだから仕方ない)」という慣行から、内訳で説明し・尊重し合う商習慣への転換が期待される。
現場での課題・ポイント
🎯 材工共(材料・労務一括)契約での労務単価提示
一式見積や材工共契約の場合、労務費を個別に切り出して基準値と比較できるようにすることが難しいという声が出ています。→ 現状、現場実務では材料費・労務費・諸経費が混ざった見積形態が多く、基準の適用・比較に工夫が必要です。
📍 商習慣の変革
基準が示されても、発注者・元請・下請の間で労務費の内訳提示や尊重という新たな商習慣を根付かせる必要があります。
📌 初期段階の実務不安
実際に標準労務費をどのように見積・価格交渉に落とし込むか、運用面の具体例がまだ不足しているとの声もあります。
今後の現場適用と展開
📆 すぐの展開
ポータルサイトでの基準値公開が進んでおり、まずは自社の見積作成や価格交渉で活用することが可能です。
国土交通省などが説明会・ガイドラインを全国で開催しており、制度理解の促進が進行中です。
🧠 実務面で期待される動き
労務費の内訳明示・根拠説明を前提とした見積フォーマットや、基準値を踏まえた契約ルールの整備。
一式見積に対しても、材料費と労務費を分けて考える「単位施工単価」方式や内訳明示の考え方の導入が進展中です(積算基準の改定等と関連)。
発注者と受注者双方で労務費基準を尊重する文化・交渉姿勢を育てる実践。
📌 長期的な展望
基準導入を建設価格の適正化・技能者賃金改善につなげるため、労務費の内訳透明化、商慣行の転換、価格交渉のルール化が進む見込みです。
現場サイドでは、積算部門や営業部門が基準値に基づく提示方法を確立し、クライアントとの交渉でも活用が広がる可能性があります。
まとめ(建設業従事者向け要点)
👉 労務費に関する基準は、技能者の適正賃金の確保と建設業の持続性を目指す新しいルールです。
👉 低すぎる労務費での契約は禁じられ、見積作成時には労務費を明示・基準値と比較することが重要になります。
👉 材工共契約などでの労務費提示方法の整理が現場課題として残っています。
👉 今後は、労務費基準を実務に落とし込むための具体例やソフト活用、積算・見積の新しい考え方が求められます。

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