夜間の車線減少規制に光の矢印!「ほたるいか」とNETIS G-スクライト工法を解説
更新日:3 日前

夜間の道路工事や舗装工事で行われる車線減少規制。
施工管理者の皆さんは、次のような課題を感じたことはないでしょうか。
車線減少の予告看板を設置しても、直前まで車線変更しない車両がいる
夜間は規制位置や進行方向がドライバーに伝わりにくい
LED矢印板や工事看板に加えて、注意喚起を強化したい
車線減少規制の起点付近で急な車線変更が発生する
電源の確保が難しく、設置できる保安用品が限られる
特に重要なのが、ドライバーに車線減少を早い段階で認識してもらい、余裕を持った車線変更を促すことです。
そこで今回TKnetが紹介するのが、路面に光の矢印を投影する安全誘導システム「ほたるいか」です。
また、同じくDNP(大日本印刷)の高視認性パターンライトを活用した「G-スクライト工法」が、NETISに登録され、2026年度の推奨技術に選定されています。
ただし、両者は使用目的が異なります。
「ほたるいか」は車線減少規制の注意喚起を目的としたシステム。
一方、G-スクライト工法は、区画線工事における罫書き作業の効率化を目的としてNETIS登録された工法です。
今回は、この違いを整理しながら、夜間の車線減少規制における路面投影技術の活用方法を解説します。
1.夜間の車線減少規制で重要なのは「早めの車線変更」
課題① 車線減少を認識するタイミングが遅い
車線減少規制では、予告看板やLED電光表示板、矢印板などを設置し、ドライバーへ規制情報を伝えます。
しかし、規制を知らせていても、ドライバーが車線変更の必要性を十分に認識できず、規制の起点付近まで走行する場合があります。
その結果、急な車線変更や車両の滞留が発生する可能性があります。
そこで重要になるのが、規制の存在だけでなく、どちらの車線へ移動する必要があるのかを、分かりやすく伝えることです。
課題② 夜間は規制情報の伝え方が重要
夜間工事では、工事看板やLED矢印板などが重要な役割を果たします。
しかし、周囲の照明や道路線形、車両のヘッドライトなどによって、表示の見え方は変化します。
こうした現場では、従来の保安用品に加えて、ドライバーの進行方向に沿った注意喚起方法を検討することが有効です。
課題③ 保安用品の設置スペースと電源確保
高速道路や幹線道路の車線減少規制では、限られた規制空間の中で保安用品を設置する必要があります。
また、電源が確保できない場所では、発電機やバッテリーの準備が必要になります。
小型で省電力な表示装置は、こうした現場の選択肢になります。
2.安全誘導システム「ほたるいか」とは?

路面に矢印を投影して車線変更を促す技術
「ほたるいか」は、内照式予告看板と高視認性パターンライトを組み合わせた安全誘導システムとして紹介されている技術です。
阪神高速技術株式会社、株式会社テクノ阪神、大日本印刷株式会社の3社が、道路工事における規制予告のための技術を共同開発しました。
従来の予告看板に加え、路面に光の矢印を映し出すことで、ドライバーに車線変更の方向を直感的に伝えることを目指しています。
ほたるいかの主な特徴
① 路面に車線変更の矢印を投影
道路面に矢印を表示し、ドライバーへ車線変更の方向を知らせます。
② 内照式予告看板との組み合わせ
予告看板による規制情報と、路面上の矢印を組み合わせることで、複数の方法による注意喚起ができます。
③ 小型・省電力の投影装置
DNPの高視認性パターンライトは小型・低消費電力で、バッテリー搭載モデルも用意されています。
ただし、システム全体の構成や電源条件は、採用する機器によって確認が必要です。
TKnet採用ワンポイント
「ほたるいか」の特徴は、単に矢印を光らせることではありません。
道路脇の看板で規制を知らせ、路面上の矢印で進行方向を伝えるという、二つの注意喚起方法を組み合わせている点です。
特に、夜間の車線減少規制で、早めの車線変更を促したい現場に向いていると考えます。
3.DNP高視認性パターンライトの特徴
「ほたるいか」に採用されている技術が、DNP高視認性パターンライトです。
この装置は、路面や壁面にライン・矢印などの光パターンを投影する小型照明装置です。
① 遠方まで光のラインや矢印を投影
DNPの製品情報では、投影距離の目安として次の内容が案内されています。
投影パターン | 投影距離の目安 |
ライン | 数m~約100m |
矢印 | 数m~数十m |
※投影距離はパターンや設置条件によって異なります。
車線減少規制では、路面に矢印を投影できる点が特に注目したい特徴です。
ただし、約100mという数値はラインパターンの投影距離であり、矢印を100m先まで表示できるという意味ではありません。
② バッテリー式による運用が可能
DNP高視認性パターンライトには、バッテリー搭載モデルと非搭載モデルがあります。
バッテリー搭載モデルの使用時間は、出力仕様によって異なります。
出力仕様 | 連続照射 | 点滅 |
標準仕様・3.0W | 最大3時間 | 最大6時間 |
高輝度仕様・4.5W | 最大2時間 | 最大4時間 |
外部給電にも対応しているため、長時間の夜間規制では、電源構成を検討することができます。
ただし、実際の稼働時間は使用条件やバッテリーの状態によって変わります。
③ 小型・軽量で設置方法を検討しやすい
三脚や専用の取付具などを利用して設置できるため、現場条件に応じた配置を検討できます。
ただし、道路上で使用する場合は、転倒防止や車両との離隔、照射方向の調整などが必要です。
4.NETIS登録技術「G-スクライト工法」とは?【HK-240021-VE】
G-スクライト工法は区画線施工の省力化技術
G-スクライト工法は、北海道技建株式会社がDNP高視認性パターンライトを活用し、区画線工事における罫書き作業を効率化するために開発した工法です。
NETIS登録番号:HK-240021-VE
従来は、墨糸などを使用して路面上に施工基準線を作図する作業が必要でした。
G-スクライト工法では、光のラインを路面に投影し、区画線の施工位置を瞬時に可視化することで、従来の罫書き作業の一部を削減できます。
その結果、施工時間や作業工数の削減、作業員の安全性向上などが期待できます。
2026年度のNETIS推奨技術に選定
G-スクライト工法は、2026年度(令和8年度)のNETIS推奨技術に選定されています。
これは、区画線施工における経済性、施工性、安全性などの有用性が評価されたものです。
注意したいのは、車線減少規制での矢印投影が、そのままNETIS登録工法として評価されたわけではないことです。
NETIS登録の中心用途は、区画線施工における罫書き作業の効率化です。
交通規制への応用を検討する場合は、使用方法や適用範囲を確認する必要があります。
TKnetが注目する共通点
G-スクライト工法と「ほたるいか」には、光のパターンを路面に投影するという共通点があります。
区画線施工では、光によって施工位置を分かりやすく示します。
一方、車線減少規制では、光の矢印によってドライバーへ進行方向を伝えることが考えられます。
「施工位置を光で示す技術」と「車両の進行方向を光で示す技術」では、目的が異なるものの、路面投影という技術的な共通性があります。
この点は、TKnetとして注目したいポイントです。
5.従来の交通規制と路面投影技術を比較
比較項目 | 従来の保安用品 | 路面投影による注意喚起 |
主な表示方法 | 工事看板・LED矢印板 | 路面への光の矢印 |
ドライバーへの案内 | 道路脇や規制車の表示 | 路面上からも進行方向を案内 |
夜間の視認性 | LED・反射材などを活用 | 光のパターンを投影 |
設置スペース | 製品の大きさによる | 小型投影装置を利用可能 |
電源 | 製品により異なる | バッテリー搭載モデルあり |
規制図との関係 | 所定の保安用品として配置 | 補助的な注意喚起として検討 |
重要なのは、路面投影技術は従来の保安用品を置き換えるものではないということです。
工事看板、LED矢印板、カラーコーンなどと組み合わせて、注意喚起を強化する方法として考えましょう。
6.TKnetおすすめの活用現場
① 夜間の車線減少規制
最も注目したいのが、夜間の車線減少規制です。
ドライバーへ車線変更の方向を知らせる矢印を路面に投影することで、従来の予告看板に加えた注意喚起を検討できます。
特に、車線減少の存在を早い段階で認識してもらいたい現場で活用を検討したい技術です。
② 高速道路・幹線道路の夜間工事
高速道路や交通量の多い幹線道路では、車線変更の案内が重要です。
小型の投影装置を使用できる点は、設置スペースが限られる規制現場でも検討材料になります。
ただし、高速道路での使用については、道路管理者や関係機関との協議が必要です。
③ 区画線の施工・引き直し工事
区画線施工では、G-スクライト工法を活用することで、罫書き作業の効率化を図ることができます。
この用途はNETIS登録内容と直接関係するため、施工方法の改善を目的とした技術提案にもつなげやすい分野です。
④ 電源確保が難しい夜間工事
バッテリー搭載モデルを使用することで、常設電源を確保しにくい現場でも導入を検討できます。
ただし、長時間使用する場合は、外部給電や予備電源を含めた運用計画が必要です。
7.導入前に確認したい注意点
① NETIS登録の適用範囲
G-スクライト工法のNETIS登録は、区画線施工における罫書き作業の効率化を対象としています。
車線減少規制での矢印投影を、同じNETIS登録用途として扱わないようにしましょう。
② 照射位置と車線変更区間
矢印を投影する場合は、ドライバーが余裕を持って車線変更できる位置に表示する必要があります。
規制図や道路線形、車両の走行速度などを踏まえ、適切な位置を検討しましょう。
③ 路面状態と周囲の明るさ
濡れた路面、積雪、路面の凹凸、街路灯などによって、投影表示の見え方が変わる場合があります。
使用前に現場での視認性を確認することが重要です。
④ 光の安全性と照射方向
DNP高視認性パターンライトは、レーザー製品の安全規格に基づくクラス1レーザー製品として案内されています。
ただし、照射方向や設置条件に配慮し、ドライバーや歩行者に対して眩しさや誤認を生じさせないよう確認する必要があります。
⑤ 関係機関との協議
公道上で路面投影を使用する場合は、道路使用許可条件、道路管理者との協議内容、交通規制図、発注者仕様、関係法令などを確認してください。
特に、既存の道路標示や交通規制の意味と混同されないようにすることが重要です。
8.技術提案・創意工夫への活用方法
路面投影技術は、用途に応じて提案内容を分けて考えることをおすすめします。
提案例① 車線減少規制の注意喚起強化
現場課題: 夜間の車線減少規制において、ドライバーへ車線変更の方向を早期に伝える必要がある。
採用技術: 高視認性パターンライトを活用した路面への矢印投影。
期待する効果: 従来の予告看板やLED矢印板に加え、路面上からも進行方向を案内し、注意喚起の強化を図る。
※NETIS登録工法としての評価を前提としない、安全対策・創意工夫の検討例です。
提案例② 区画線施工の省力化
現場課題: 区画線施工において、従来の罫書き作業に時間と労力を要する。
採用技術: G-スクライト工法【NETIS:HK-240021-VE】
期待する効果: 光のラインで施工基準位置を可視化し、罫書き作業の削減による工程短縮や施工性向上を図る。
こちらはNETIS登録の用途に沿った提案です。
9.関連技術も比較したい方へ
夜間の車線減少規制に役立つ路面投影技術
路面に矢印を投影する技術には、今回紹介した「ほたるいか」のほかに、移動式路面標示プロジェクターもあります。
移動式路面標示プロジェクターは、高輝度LEDで矢印などを投影する装置で、バッテリー式・台車付きという特徴があります。
交通規制の安全対策を課題別に比較する
車線減少規制では、路面投影のほかにも、工事灯、LED電光表示板、車両進入防止装置など、さまざまな安全対策があります。
TKnetでは、現場の課題から適切な保安用品・技術を探せる総合記事を公開しています。
NETIS技術・技術提案資料を探す
TKnetでは、NETIS登録技術を工種や現場条件から探せる一覧表を公開しています。
また、一部のNETIS技術については、技術提案資料も公開しています。
まとめ|車線減少規制では「進行方向を直感的に伝える」ことが重要
夜間の車線減少規制では、ドライバーへ規制の存在と進行方向を早い段階で伝えることが重要です。
安全誘導システム「ほたるいか」は、予告看板と路面への矢印投影を組み合わせ、車線変更を促すための技術です。
また、関連するDNP高視認性パターンライトを活用した「G-スクライト工法」は、区画線施工の効率化を目的としたNETIS登録技術であり、2026年度の推奨技術に選定されています。
両者は用途が異なりますが、路面に光のパターンを投影するという共通点があります。
TKnetでは、車線減少規制の注意喚起を強化する技術として、路面投影の活用に注目しています。
ただし、製品の採用にあたっては、道路条件や投影位置、電源、関係機関との協議内容などを確認する必要があります。
「光を使うこと」ではなく、「ドライバーに何を、どのタイミングで伝えるか」。
この考え方が、車線減少規制における安全対策の選定で重要です。
参考情報
活用事例



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